山古志のコト

50mもの巨大な火柱! 古志の火まつりで「日本一のさいの神」を見上げよう

日本でも屈指の豪雪地帯である新潟県長岡市では、その積雪を活かした「冬のまつり」がワンシーズンのうち6つも開催されます。その中でラストを飾るのが長岡市の山あいに位置する山古志地域の「古志の火まつり」。

その年の無病息災、五穀豊穣、そして中越地震からの復興を祈願して、高さ25m、直径10mもの「日本一のさいの神」を盛大に燃やすお祭りです。夜空に舞い昇る火柱と、それを彩る雪中花火の幻想的な風景には誰しも見とれてしまうことでしょう。

大迫力! 日本一のさいの神

古志の火まつりが開催されるのは、山古志地域の中でもひと際山深いエリアである種苧原(たねすはら)にある「四季の里古志」周辺の特設広場。会場に着いて周囲を見渡すと、どこまでも続く白化粧をした山々。この山奥に長岡市内外から例年2000人前後もの人々が「日本一のさいの神」を見に押し寄せるというから驚きです。

ところで、皆さん「さいの神」をご存知でしょうか。さいの神とは、カヤ等を円錐状に組み上げて燃やすことにより、無病息災・五穀豊穣を祈願する伝統行事です。山古志の各集落を含め新潟県各地で行われる「さいの神」は1月15日の前後に行われています。

古志の火まつりは「日本一のさいの神」と銘打って、その高さはなんと25m。8階建てのビルに相当するその高さは遠くから見ても抜群の存在感を放っています。

さいの神の“足元”まで近づくと大迫力の余り思わず圧倒されてしまうほど。このさいの神、実は中に入ることができるのです。ぜひ中に入ってその大きさを身をもって感じてみて下さい。

こんな巨大なさいの神をどうやってつくっているのか気になりますよね。芯柱となるのは種苧原集落から伐採した杉の木。それに山古志地域中から集めたカヤを囲ってつくります。地域住民が一人ひとり持ち寄ったカヤを、地元の材木屋や大工等の技術者がさいの神に仕立てるという、まさにオール山古志のさいの神なのです。

楽しい!美味しい! 古志の火まつりを楽しもう

さいの神が点火されるのは日が暮れてから。古志の火まつりの見どころは、さいの神だけではありません。せっかく来たなら暗くなる前に古志の火まつりを楽しみつくしましょう!

山古志は伝統ある食文化も特徴の地域。辛さがやみつきになる「神楽南蛮」や「山古志牛」など美味しい食べ物が沢山ありますが、そんな山古志ならではの食が堪能できる「特産品テント村」が開設されます。

山古志と言えば何といっても闘牛文化ですよね。闘牛大会は11月までなのですが、この日だけは雪の中に闘牛場を特設して「雪中闘牛大会」が開かれます。数メートルに積もった雪を地面まで掘って造る円形の闘牛場はまるでローマのコロッセオのよう!

そのほか、ライブパフォーマンスで盛り上がるステージショーや、子どもが思いっきり雪遊びできる「ちびっこ広場」などもあるので、老若男女が楽しめることでしょう。

辺りが暗くなって、いざ点火!

食べたり観たり聴いたりと楽しんでいるうち、あっという間に辺りは暗くなってくることでしょう。いよいよ「日本一のさいの神」に点火のときです。さいの神に点火するのは山古志地域にゆかりのある新成人の役割。

火の着いた松明を片手に、新成人たちがさいの神が立つ雪山を駆け上っていきます。

しばらくして雪山上にその年の新成人たちが出揃ったあと、新成人一人ひとりが今年の抱負や、これまで育ててくれた両親への感謝を雪山の上から叫びます。

全員がメッセージを言い終えると、会場全体が固唾を飲んで見守るなか松明を持った新成人たちがさいの神の周りに配置。いよいよ点火のときです…!

一度、カヤに火が付くと瞬く間にさいの神全体に火がまわり、あっという間に50mもの火柱が真っ暗な空へ伸びます。

 

火が付くのと同時に花火が打ちあがり、燃え上がるさいの神と雪中花火の共演は数分間にもわたります。

点火、雪中花火に続いて今度はスカイランタンの打ち上げ。会場から一つ二つとゆっくりスカイランタンが空へと舞い上がっていったかと思いきや、たちまち幾つもの灯りが視界に漂うになります。

さいの神の火柱とシンクロするように風に揺らぐスカイランタンの数々は得も言われぬ幽玄さ。「いつまでも眺めていられそうだなあ」と心地よくなっているうち、気が付けば燃え上がる火の勢いも落ち着き、スカイランタンは空のかなたへ。徐々に暗くなる周囲に、ハッと現実へ戻されることでしょう。

古志の火まつりと、復興の祈り

古志の火まつりが始まったのは昭和63年。豪雪に閉ざされて住民同士の交流の機会も減ってしまう冬の季節に、皆が楽しめて地域おこしにもつながる催しが出来ないものかと考案されたのが、日本一の巨大なさいの神でした。

その後、2004年の中越地震を経て古志の火まつりは「震災復興の願い」も加わり、山古志にとってより一層に意味深い祭りとなりました。

天へと燃え盛る炎には様々な願いが織り重なっているのだと思うと、ますます古志の火まつりへ行ってみたくなったのではないでしょうか。そんな方はぜひ一度、会場に足を運んでみてください。

◆開催概要
開催日時:毎年3月の第一日曜日
会場:種苧原の「四季の里古志」周辺
アクセス:当日は会場近辺にいくつかの臨時駐車場が設営されます。臨時駐車場から会場へはシャトルバスが出ています。
古志の火まつり – 長岡市