日本でつくられた唯一の観賞魚錦鯉は、「國魚」とも言われ、その始まりはおおよそ200年前までさかのぼります。新潟県長岡市の山古志地域において、飼育していた食用鯉(真鯉)のなかに微かに赤い模様のある鯉が見出され、改良に改良を重ねて、現在の美しい姿がつくり上げられました。今日ではその品種は、約100種類にも及びます。
1914年に開催された東京大正博覧会で山古志の錦鯉が展示されて以来、その存在は日本各地に広まりました。近年では世界各地に輸出され、カラフルな色彩を持ち、大きく育つことから「世界最大のガーデンフィッシュ」とも称されています。さらに一部の品種に見られる渋味が、日本の美意識のひとつである「わびさび」に通じる点も、愛好家を魅了してやまない理由のひとつ。いわば日本文化の中の「泳ぐ芸術品」として世界中で受け入れられているのです。
(引用元:リーフレット「NISHIKIGOI OF NAGAOKA」)