お知らせ

モニターツアーを実施しました!

1.山古志を訪れる理由とは?

海外から訪れる旅行者は、何を求めて山古志に足をふみいれるのだろうか?
私たち農泊推進協議会スタッフは、初めてのモニターツアーを前に、戸惑いのなかで企画を進めました。
いわゆる観光地としてではない、新たな訪問地としての山古志。
私たちが感じてもらいたいのは、綿々と受け継がれてきた、自然と共生する人々の暮らし。その地の飾らない姿を見て、訪れた人に「何か」を感じ取ってもらえたら、との希望がありました。

2.雨の中、出発!

ツアー当日の2017年10月29日は、あいにくの雨となりました。
10時30分長岡駅前の「アオーレ長岡」に集合、17時解散というスケジュールで、山古志の魅力を凝縮して伝えることになります。
今回のモニターツアーには、国内で訪日客を対象に観光業などを営む方や、国内に住む外国人の方、そしてその家族や友人の方々、総勢十数名にご参加いただきました。

山古志には貸し切りのクローバーバスで向かいます。
余談ですが、山古志住民の方の移動手段でもあるクローバーバスは、一般の方の利用も可能です。運行は月〜土曜日で、運賃は中学生以上200円、小学生100円(乳幼児無料)。電車などで来られた方は特におススメです。詳しくは運営元HPをご覧ください。

ガイドは中越防災フロンティアの木村さん。山古志の様子を英語を交えて紹介。現地到着前から和やかな車内となりました。NPO法人中越防災フロンティアは中越地震の被災地視察案内や雪かき道場、クローバーバスの運営もしており、山古志にとっては非常に重要な役割を担っている組織です。

3.錦鯉をつかみ捕り!?

はじめに向かったのは、山古志の宝、錦鯉の養鯉池です。鯉揚げという、錦鯉を池から池に移す作業に立ち会うことができました。

ここでなんと、参加者の方に作業を体験してもらうことに!
胴付長靴を着用して、いざ池の中へ。
追い込んだ網の中には大小約数十匹の鯉がいるとのことですが、濁った水の中、素人目には鯉がどこにいるのかも分かりません。また、やっとのこと掴んでも、鯉は腕の中からスルッと逃げてしまいます。それでもしばらくすると慣れてきて、何匹かは容器に移すことができました。錦鯉を間近で見るのはもちろん、貴重な体験もでき、皆さん楽しんでいたようです。

その後、やまこし復興交流館おらたるに立ち寄り、中越地震の展示を見学しました。
山古志を知る上で重要な歴史を、ガイドに質問するなど興味深い様子でご覧いただきました。

4.地域の方との交流も楽しみのひとつ。

昼食は、住民の皆さんのご協力のもと、地元食材をふんだんに使ったお膳をいただきました。
ぬか釜炊きのご飯や山古志汁などは、この地でしか味わえない美味しさでしたが、意外にも参加者の皆さんに好評いただいたのは、現地の方々とのおしゃべり!
珍しい食材や、その調理法を聞いたり、普段の暮らしぶりや、季節ごとの楽しみなど…。
行程の都合で切り上げてしまいましたが、多くの方からもっとお話を楽しみたかったという声をいただきました。

その後は幸福市(ふくいち)に立ち寄りました。幸福市は地元で取れた野菜や山菜を中心に扱う直売所で、4月中旬~11月の日曜日(5月・10月は土・日曜日)に営業しています。日本人でもなかなか目にすることのない種類の野菜を見たり、特産のかぐら南蛮などを使った加工品の試食にチャレンジしたりして楽しみました。ちょうど錦鯉の直売もやっており、錦鯉の種類などを教えてもらうこともできました。

5.山古志の暮らしに深く関わる、牛との関係。

次に向かったのは、牛の角突きで知られる牛舎です。牛は静かに休んでいます。なんでも数日前に行われた角突きで牛たちはヘトヘトに疲れ、今は鋭気を養っているところとだそう。
山古志と牛との関わりは深く、古くは農耕用として大切に育てられ、また角突きの文化も大変貴重な物となっています。

6.山古志の風景美を感じるスポットへ。

最後はフォトジェニックスポットの定番、にこにこひろばです。
雨のため遠くが霞んでいましたが、棚田・棚池の風景を眺め、写真を撮りながら「晴れた日にもう一度来たい」とおっしゃっていただきました。

来たときと同様、クローバーバスでアオーレ長岡まで下山。アンケートに答えて頂いたり、雨天の移動で疲れてウトウトする人もちらほら…。タイトスケジュールのなか、皆さん大変お疲れ様でした。

7.魅力はもっと伝えられるはず!

アンケートではさまざまな声を頂きました。
「お昼はとても美味しかったです。初めて来たのに、実家に帰ってきたような感覚でした。泊まりたいです!」
「こんなに地元の方が協力するところって、初めてかもしれない。ところどころで熱のある人たちが歓迎してくれて、感動しました。」
ホスピタリティーや地域の方々との交流が特に満足いただいたようです。

「ぜひ闘牛の闘う姿を見てみたい。」
「天気の良い季節にもう一度来たい。」
「もう少しゆったりした行程が望ましい。」
日帰りということもあり、それぞれの滞在時間が短くなってしまいました。内容、所要時間も考慮が必要ということが分かりました。

ツアー中の参加者の皆さんの反応や、いただいた感想などには、これから来訪されるお客さまのおもてなしに役立つヒントがたくさん詰まっていました。
次のモニターツアーは2月。深い雪の中で、どんな山古志を見せられのるか、模索は続きます!